「典故300則」その2282013年04月30日 08:13


 後漢末期から三国時代にかけて、国家の崩壊とともに権威を失った儒教

に代わって台頭してきた老荘思想。荘子の“精神の自由”を重んじ、形骸化

した儒の精神に基づく国家権力を批判する精神的支柱となった。

 今日の主役は、その牽引者となった文学者“院籍”である。

 典故300則その228:途穷 tu chuang

 魏の晋の時代、文学家の院籍は礼儀や道徳を蔑んでおり、事の大小に拘

らずいつも他人が思いつかない事をしていた。彼は酒を好み、いつも酔って

いたが、頭は却って冴えていた。

 彼は時には、酔っぱらって気が狂ったふりをして、災難を避けていた。 聞く

ところに寄れば、院籍はいつも一人で気の向くままに馬車を走らせ、 行き止

まりに当たると、大声で泣きながら引き返した。

 “途穷”とは終点のこと。 以来人の行く手に活路がないこと、究極の窮地

に陥ったことを形容するようになった。