「典故300則」その180 ― 2013年03月01日 08:38
今、中国のネット上では地方官僚の不正を告発する書き込みで溢れている。
そのおかげで免職された者も数多いと言う。尖閣問題を餌に反日感情を煽る
だけでは政府に対する国民の不満を抑えきれなくなっているようだ。 国民の
声を聞いて姿勢を正すことには喝采を送りたいが、高官に対する誹謗中傷の
書き込みは直ちに消去してしまったり、書き込みに厳しい制限を加えるように
改めるなど、本気で国民の声を聞こうというものでは無いことが露見している。
典故300則その180:敲竹杠 qiao zhu gong
清朝末期、政府はアヘンの取り締まりを開始した。アヘン商人は太い竹をくり
抜いてアヘンをその中に隠し、船の棹にして検査を逃れた。検査官たちは乗船
して検査する時、無意識に棹をキセルの雁首でたたくとアヘン商は驚いて、急い
で検査官に金を渡した。検査官はそれを察して再び棹を敲くことはしなかった。
以後、毎回アヘン捜査の時は、検査官はみな棹を敲き、密売人は彼らを金で
黙らせるしかなかった。
“敲竹杠”は他人の弱みにつけ込み、値を釣り上げたり財物を搾取すること。
「典故300則」その181 ― 2013年03月02日 11:03
今日のテーマは祝辞、お祝いの言葉である。“新年快楽!”は、“明けまして
おめでとう。”、“生日快楽!”は、“誕生日おめでとう。” では、“喬遷快楽!”
は、どんな慶事でしょうか。
典故300則その181:乔迁 qiao qian
“乔迁”とは一般に挨拶の言葉で、新居に入る人や昇進した人を祝うことに用
いる。この故事の由来は《诗经;小雅 伐木》による。詩の中にこのような文があ
る。“伐木丁丁,鸟鸣嘤嘤。出自幽谷迁于乔木。”その意味は、人々の木を切る
音が丁丁とこだまし、驚いた鳥たちは嘤嘤と囀る。彼らは深々とした山野を飛び
立つ他はなく、やがて高い木の上に落ち着く。
“乔”とは高い木のこと、一本の大木のことである。また、“迁”とは場所を変え
ること、転居することを言う。
「典故300則」その182 ― 2013年03月03日 06:47
今日のテーマは“青い鳥”、我々に馴染み深いのはフランスの作家メーテル
リンクが1908年に発表した、チルチル&ミチルの2人兄妹が夢の中で過去や
未来の国に幸福の象徴である青い鳥を探しに行くという物語だが、中国では
紀元前の前漢の時代に、既に“青い鳥”が飛んでいたようだ。
典故300則その182:青鳥 qing niao
聞くところに寄れば、ある年の七月七日に、漢の武帝が承华殿で斎戒した。
午頃、突然西の空から二羽の青い鳥が飛んで来て承华殿に舞い降りた。武
帝は奇異に思い、大臣の东方朔にどういう事かと尋ねた。 东方朔は言った。
“西王母(神話の仙女)は夕暮れ時になるとここへやって来る。青い鳥はその
使者です。”日が暮れる頃、果たして西王母が仙女の乗る紫の車に乗ってや
って来た。まるで夫婦のような二匹の青い鳥が西王母を真ん中にして侍って
いた。この時、雲のような青い気があたりを包み、実に荘厳な光景であった。
以来、“青鳥”は送達者、使者を喩え、一般に仙人あるいは愛の特使として
用いる。 唐朝の詩人李商隐の詩“蓬莱此去无多路,青鸟殷勤为探看”にも
この故事が用いられている。
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