「典故300則」その2212013年04月23日 12:30


 今日の主役は“天狼星”。 全天に21ある1等星の中でも最も明るい星で

ある。 因みに北極星(ポラリス)は視等級2.005、天狼星は-1.47、太陽は

-26.73になるそうである。

 典故300則その221:天狼 tian lang

 天狼星(シリウス)は夜空の中で最も明るい恒星で、昔の人はそれを征服

欲が旺盛な星と考え、悪星と見なしたので、昔の詩には“天狼”は侵略者や

邪悪な勢力に喩えられていた。

 “天狼”が最初に見受けられるのは《楚辞・九歌》で“青雲(高官)は白い虹

の衣を纏い長い矢で天の狼を射る。”以来、後の人の詩文には屡々“天狼”

が使われている。

 如苏轼の詩《江城子・密州出猎》に“何日遣冯唐?会挽雕弓如满月,西北

望射天狼。”という一首がある。 この中にある“天狼”は北宋の国境を侵犯

した遼や西夏を喩えている。(西夏:1038~1227)