「典故300則」その208 ― 2013年04月08日 07:41
今日の言葉は“说项”、直訳すれば“項さんについて語る”という処か。 日本
では他人を語る時“仲人口”という言葉がある。仲人が縁談を纏めるため両方
を体よくとりなすことで、転じて“あてにならない話”を言う。では“说项”とは・・・。
典故300則その208:说项 shuo xiang
唐の時代、项斯という知識人がおり、彼の詩は素晴らしかったが、人に知られ
ていなかった。
聞く処によると杨敬之はとても人の才能を大切にしていたので、项斯は自作の
詩集を持って謁見しに行った。杨敬之は彼をとても気に入って、すぐに詩を一首
贈った。“几度见诗诗尽好,及观标格过于诗。平生不解藏人善,到处逢人说项
斯。”その意味は;项斯の詩は素晴らしい、人柄も詩のように好ましい、私は人の
長所を隠しておくことは出来ないので、会う人ごとに项斯の優れた処を語ります。
程なくして、杨敬之の詩は長安の街に広く伝わり、项斯の名は瞬く間に広まった。
次の年、项斯は優秀な成績で科挙に合格した。
後に“说项”、“替人说项”は、他人の長所を触れ回ったり、他人に替わって頼
み事をすることなどに喩えられる。
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