「典故300則」その2112013年04月13日 10:04


 “世界は一家、人類皆兄弟!”と叫んだのは、財団法人日本船舶振興会の元

会長笹川良一氏である。国粋大衆党総裁で極東軍事裁判A級戦犯として巣鴨

プリズンに約3年の間収監されていた。

 われわれ団塊世代の人間には、TVから頻繁に流れる上記のフレーズが今も

耳に残っている。

 典故300則その211:四海之内皆兄弟 si hai zhi nei jie xiong di

 この故事の出自は《論語の颜渊》である。司马牛は憂いて言う。“人には皆兄

弟があるのに私はひとりぽっちだ。”子夏曰く“商闻之矣;死生有命,富贵在天。

君子敬而无失,与人恭而有礼,四海之内,皆兄弟也。君子何患乎无兄弟也?”

その意味は、司马牛は誰も皆兄弟がいるのに、自分にはいないと嘆いている。

子夏は彼を励まして言う。君子は只真面目に慎み深く事を為すだけで、過ちを

侵さず、人に対しては礼儀正しく接し、世の人々は皆兄弟であり、兄弟がいない

と憂えることはないでしょう。

 “四海之内皆兄弟”は世の中の人は、皆兄弟と同じようなものだという喩えで

ある。