「典故300則」その2152013年04月17日 08:01


 今日の言葉は“袒护” 、“左袒:さたん”とも言う。 “味方をする”ことを意味し

“悪事に左袒する”などと使うが、最近はこの言葉をあまり聞かない。 今では

“荷担”または“加担”と言う方が一般的である。

 典故300則その215:袒护 tan hu

 漢の高祖劉邦と大臣達が約束した。天下の者が挙って彼を倒しに行くので、

劉家の者は王になってはならない。 劉邦の死後、吕后が実権を独占し、多く

の呂姓の者が王に封じられた。趙王の吕禄も上将軍に封じられ、北軍を掌握

した。吕后の死後、大将軍の周勃が吕禄の兵権を奪った。

 彼は軍印を手にして兵士達に向かって言った。“呂氏を支持する者は右腕を

捲れ、劉氏を支持する者は左腕を捲れ。”全軍の兵士達は皆左肩を露わにし、

劉氏を支持することを表明した。

 “袒”とは露出すること。この出来事は後に“左袒”、“偏袒”、“袒护”の故事と

なり、“袒护”は秩序のない誤った考えで、支持したり保護したりすること(依怙

贔屓:えこひいき)を喩える様になった。