「典故300則」その229 ― 2013年05月01日 10:45
今日の悪役は夏の最後の皇帝となった“桀:けつ”。武力で諸侯や民衆を押さ
えつけ、自らは美女を侍らせ酒の池に船を浮かべて肉山脯林(にくざんほりん)
の宴を続け、政を顧みなかった。殷の紂王(ちゅうおう)、周の厲王(れいおう)と
並び称される希代の暴君である。
典故300則その229:涂炭 tu tan
成汤は暴君の夏桀を討伐し、馬を駆って南巣へかけつけた。成汤は尧舜禹が
帝位を禅譲すると思ったが、自分は武力によって帝位を簒奪したので、とても悔
やんでいた。
彼の左大臣の仲虺が彼を励まして言った。“有夏昏德,民坠涂炭。”その意味は
“夏桀は錯乱しており、凶暴残虐で彼の民はまるで泥沼にはまり、火の中に居る
ように、生活は本当に苦難に満ちていました。”
涂とは泥沼、炭は炭火のこと。以来、“涂炭”は究極の苦境を喩え、“生灵涂炭”
は災難の中に置かれている庶民を形容している。
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