「典故300則」その2522013年05月26日 08:01


 今日の主役は“顷襄王:けいじょうおう”。 太子の時、斉の人質にとられて

いたが、父の懐王が屈原の反対にもかかわらず秦に赴き、抑留されてしまっ

たため、楚王に即位した人物で、生涯秦の圧力に苦しめられた。

 典故300則その252:雄風xiong feng「典故300則」その252

 戦国時代、楚の顷襄王が宋玉と景差の二人を伴って兰台へ遊覧した。 其

の時、一陣の風が吹くと楚王は胸元を開いて風を取り込み、言った。“風がと

ても心地よい、私と庶民がともに享受しよう。”

 宋玉が言った。 “この風は大王の為だけに吹いているのに、庶民が如何に

して享受できましょう?” 楚王は理解できなかった。 宋玉が続けて言った。

“この風は同じように見えますが、内在するものには 大きな違いがあります。

泰山に沿って 岩に吹き付ける風は、松や柏の林の中を漂い、雄壮で激しく、

風音は雷のようです。 また、風が岩にぶつかって方向を転じるとき、四方に

散って岩穴を吹き抜けて行きます。このような清涼な強風は高く巻き上げまた

吹き下ろし、高層の城に吹きつけ、谷底深い宮殿にも届きます。これこそ大王

の威風でしょう!” 楚王が言った。:“好!(good!)あなたの言うとおりだ。”

 “雄風”は本来強風の事を言うが、後に人間の威風(威厳&風格)を指すよう

になった。