「典故300則」その230 ― 2013年05月02日 11:40
今日のテーマは“墨塗り本”。太平洋戦争に負けた日本では 進駐軍の命令に
より、国家主義や戦意を鼓舞する教科書の記述を全て墨で塗りつぶした。教科
によっては、ほぼ全行に渡って抹消線が引かれたという。
戦後70年を間もなく迎える今、有川浩原作の“図書館戦争”がヒットし、映画化
され、今年のGWに多くの観客を集めている。
典故300則その230:涂鸦 tu ya
昔、添丁という稚児がおり、彼は本の上にいたずら書きするのが好きで、いつ
もその本を墨で塗っていた。稚児の父は書生で、《示添丁》という詩を作り、“忽
来案上翻墨汁,涂抹诗书如老鸦。”と言っている。 その意味は、机の上に墨汁
の壷をひっくり返したように、本が烏のように真っ黒に塗られた。
“涂鸦”とは、もともと幼児が無邪気にいたずら書きすることで、今では文筆あ
るいは絵画の技が未熟であることを喩え、時には自分の字の拙さを謙遜する事
にも用いられる。
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