「典故300則」その2452013年05月19日 09:56


 今日の主役は清廉な君子“徐稚”。 後漢時代、桓帝から太原の太守に任

命されても、頑なにこれをことわり続けた硬骨漢でもある。

 典故300則その245:下榻 xia ta

 下とは下に置くこと、榻とは低くて狭い小さなベッド、また古代は椅子のこと

でもあった。 陈蕃は漢朝の人、彼は豫章の郡守を務めていた時、隠遁者の

徐稚と知り合った。徐稚は学識豊かで品格教養もあった。彼の家庭は貧しく、

いつも自ら農作業をして生活を維持していた。

 徐稚が訪ねてくるたび、陈蕃はいつも親切に迎えた。 彼は徐稚のために

わざわざ椅子を用意し、いつもぶら下げておいて、徐稚が来るとすぐに下に

置いた。

 その後、陈蕃は皇帝に徐稚を推薦したが、徐稚は見慣れぬ宦官の横柄な

態度を嫌い、とうとう官職に就かなかった。

 “下榻”は今では寝泊まりすることを言う。