「典故300則」その1242013年01月02日 07:38


 今日の主役は寇恂、字名は子翼。上谷・昌平の人。河内太守、潁川太守、汝南

太守、執金吾を歴任。光武帝の補給の拠点となる大郡の太守となり、軍の食糧を

供給し、高祖劉邦に仕えた蕭何と並び称される。すべてを読み切って行動する功

臣中一番の知将であり、用兵や交渉にも長け文武の才を兼ねた男である。

 典故300則その124:借寇 jie kou

 東漢時代、寇恂はかつて颍川の太守を務め、その土地を良く治めていた。その

後、寇恂は都の治安を守る官職である执金吾に派遣された。盗賊達は寇恂が移

動したのを聞き、そこでまた颍川に来て悪事を働いた。民の生命財産は脅かされ、

人々は寇恂の治世を偲んだ。

 ある時、寇恂が光武帝に随行し颍川を訪れた時、人々が光武帝の行く手を遮り

訴えた。“陛下、どうぞ寇恂さまを一年の間、私達にお貸し下さい。” 光武帝は了

承し、寇恂はそこに留まった。

 以来、“借寇”は地方官が任務を良く全うし、民が彼を離任させるのを望まない事

に用いられる。

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