「典故300則」その1482013年01月26日 08:48


 今日の言葉は“郎潜”、直訳すれば“潜った男”。潜伏した男にはどんな物語

があるのでしょうか。
 
 典故300則その148:郎潜 lang qian

 ある時、漢武帝が役所を訪れ、髪も髭も真っ白な役人を見かけ、侍従とした。

武帝は彼に尋ねた。 “あなたはこんなに高齢なのに、どうしてまだ郎官(下級

役人)なのか?”老郎官は答えた。“私は颜驷と申し江都の出身です。漢文帝

の時に郎官になりました。”

 武帝は更に尋ねた。“あなたはどうしてずっと出世しなかったなか?”颜驷は

言った。 “話せば長いのですが、漢文帝は文臣を好みましたが、私は武臣で

した。漢景帝は老臣を好みましたが、その時私はまだ軽輩でした。今の陛下は

若者を認めておられ、私は既に老いています。 そんな訳で、ずっと今も郎官を

やっています。” 武帝は颜驷の話を聞き、感慨を覚え、すぐに彼を会稽都尉に

昇進させた。

 以来、“郎潜”、“白髪郎官”は老いても出世の機会の無い人を喩えた。