「典故300則」その1462013年01月24日 08:32


 今日のテーマは、有名な“韓信の股潜り”の話。韓信は軍事の天才と言われ

必勝を期した“背水の陣”は彼によるものとされている。 また、麻雀で役満の

ひとつ“十三幺九”を“国士無双:天下に並ぶ者なし”と呼ぶが、本来韓信の事

を評した言葉だそうである。

 典故300則その146:跨下辱 kua xia ru

 漢朝の将軍韩信が若い頃、家がとても貧しく、いつも人に物乞いをしており

みな彼をばかにしていた。

 ある日、何人かの不良が韩信をつかまえて憂さ晴らしに言った。“お前は大

きな体をしているくせに意気地なしだ。”一人が股を開いて言った。 “お前が

もし死を恐れないなら、俺を殺してみろ。もし死ぬのが怖ければ、俺の股の下

を潜れ。” 韩信は悩んだ末地面に腹這いになってその男の股の間を潜った。

町の人はみな韩信を嘲笑い、彼は見込みがない男だと言った。

 その後、韩信は劉邦を助け彼の天下取りに大きな手柄を立て、淮阴侯に封

じられた。

 “跨下辱”は甚だしい恥辱を喩える言葉となった。