「典故300則」その132 ― 2013年01月10日 10:33
今日のテーマは“回文”。 誰もが知っているのが“新聞紙”や“竹藪焼けた”。
凝ったものでは“イカのダンスは済んだのかい?”や“ママが私にした我が儘”、
“里芋を三つも包み、重いとさ”などの力作がある。
典故300則その132:锦书 jin shu
南北朝時代、窦滔は前秦の秦州の長官であった。彼の妻は苏惠という才女
で、とても筆が立った。 その後、窦滔は流沙へ放逐され、苏惠は日夜夫の事
を想い、回文詩《回文璇玑图》を錦に織り込み、流沙の夫に贈った。 この詩は
反対からでも読むことが出来、内容はとてももの寂しく、全文840字からなって
いた。
以後、“锦书”は妻が夫に送る手紙の喩えとなった。 南宋の詩人陆游の《钗
头凤》の中に“山盟虽在,锦书难脱”という語句があり、この故事が用いられて
いる。
最近のコメント