「典故300則」その1382013年01月16日 08:28


 兵庫県芦屋市に“打出小槌町”という街がある。龍神から貰った“打出小槌”の

民話から付けられた名前である。この小槌を振ると欲しい物が何でも出てくるが

小槌を振っている最中に鐘の音が聞こえると、全ての物が消滅してしまうという。 

 今日のテーマは中国の“打出小槌町”、いったいどんな由来があるのだろうか。

 典故300則その138:聚宝盆 ju bao pen

 言い伝えに寄れば明朝時代、沈万山という男がおり、ある晩彼は大勢の青い

服を着た人が彼に助けを求める夢を見た。次の朝、彼は年老いた漁師が沢山の

蛙を解剖するのを見て、僅かなお金でその蛙を買い取り池の中に放してやった。

夜中、蛙の鳴き声が鳴りひびき、沈万山はやかましくて眠れなかった。次の日の

明け方、彼は蛙を追い払おうとしたが、蛙の群れが盥のまわりを囲んでいるのを

見つけ、その盥を持ち帰って洗面器にした。

 ある日、沈万山の妻が不注意で、首飾りをその盥の中に落としてしまうと、盥の

中はたちまち首飾りで一杯になった。沈万山は、これぞ打ち出の小槌だと知った。

 今では“聚宝盆”は資源豊かな土地を指す言葉として、広く用いられている。