「典故300則」その130 ― 2013年01月08日 21:09
今日のテーマは“堅い守り”を形容する言葉。 万全、盤石、鉄壁、難攻不落、
守りに徹した城を武力で攻めるのは極めて難しい。我攻めをすれば兵の損耗
が著しくなるので、和睦を持ちかけて懐柔する方法がしばしば用いられる。
典故300則その130:金汤 jin tang
蒯通は秦朝末期の范阳の人である。 彼はとても知略に長け弁も立った。当
時陈胜の武将である武臣が兵を率いて范阳に迫っていた。 蒯通は武臣に投
降するよう范阳の県令徐公に勧め、彼に武臣に利害を説くように言った。“武臣
に投降しにきた范阳の県令徐公を厚遇しなさい。 さもなくば、他の城の人々は
必死で守る。そんな各地の城は鉄壁で、攻め落とすのは難しいでしょう。”
その後、武臣は案の定蒯通の話を聞き入れ、百輌の車、二百頭の馬と官印を
携えて徐公を迎えた。他の三十を超える城の役人がこの事を聞き、次々と投降
を宣言した。
“金城”とは鉄で造ったように城壁が堅固なことを言い、“汤池”とは煮えたぎる
湯のような堀の水を言う。後に“金汤”、“固若金汤”は鉄壁の防御で攻略困難な
ことを言うようになった。
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