「典故300則」その1822013年03月03日 06:47


 今日のテーマは“青い鳥”、我々に馴染み深いのはフランスの作家メーテル

リンクが1908年に発表した、チルチル&ミチルの2人兄妹が夢の中で過去や

未来の国に幸福の象徴である青い鳥を探しに行くという物語だが、中国では

紀元前の前漢の時代に、既に“青い鳥”が飛んでいたようだ。

 典故300則その182:青鳥 qing niao

 聞くところに寄れば、ある年の七月七日に、漢の武帝が承华殿で斎戒した。

午頃、突然西の空から二羽の青い鳥が飛んで来て承华殿に舞い降りた。武

帝は奇異に思い、大臣の东方朔にどういう事かと尋ねた。 东方朔は言った。

“西王母(神話の仙女)は夕暮れ時になるとここへやって来る。青い鳥はその

使者です。”日が暮れる頃、果たして西王母が仙女の乗る紫の車に乗ってや

って来た。まるで夫婦のような二匹の青い鳥が西王母を真ん中にして侍って

いた。この時、雲のような青い気があたりを包み、実に荘厳な光景であった。

 以来、“青鳥”は送達者、使者を喩え、一般に仙人あるいは愛の特使として

用いる。 唐朝の詩人李商隐の詩“蓬莱此去无多路,青鸟殷勤为探看”にも

この故事が用いられている。