「典故300則」その1942013年03月20日 20:49


 今日の主人公は中国の怪猫“三脚猫”、三本脚の猫のことだが、他にも金

華猫(きんかびょう)や八狐子(はっこし)、猫梢(びょうしょう)、猫将軍などと

呼ばれる妖怪猫がいるという。

 典故300則その194:三脚猫 san jiao mao

 元朝の张鸣善は当時の善悪転倒し混沌とした社会に不満を持ち、《水仙子

;讥时》という一首の風刺の詩歌を書き、その中にはこのような一節がある。

“说英雄,谁是英雄?五眼鸡,歧山鸣凤;两头蛇,南阳卧龙;三脚猫,谓水非

(飞)熊。”その意味は“いったい誰が英雄だというのか?五つ眼の鶏のような

怪物が岐山の鳳凰になり、双頭の蛇は本来不吉なものだが南陽の臥龍諸葛

亮になり、三本足の猫は本来反省もせず事を成すには物足りないのに渭水の

飛熊吕尚になってしまった。

 以来、人々は“三脚猫”は技芸に優れず、本物の才知(真才实学)がない者、

或いは上っ面の知識だけの者を喩えた。