「典故300則」その187 ― 2013年03月09日 09:54
今日のテーマは“英雄”、ベートーベンの交響曲第3番、チャン・イーモウ監
督の映画のタイトルにもなっている。“英雄”といえば、その文字から必然的
に“男性”限定ということになるが、その定義“才知や武勇などにすぐれ普通
の人にはできないような良いことをする人。”からすれば、男性に限ったこと
ではない。フランスのジャンヌ・ダルク、中国の武則天、日本では持統天皇や
巴御前、みんな立派な“英雄”だ。女性の場合には“女傑”という言葉が用い
られるが、あまり語感が良くない。 彼女らも“女傑”と呼ばれるよりは“英雄”
と呼ばれたいであろう。
典故300則その187:群英会 qun ying hui
赤壁の戦い前夜、曹操は周瑜の友人である幕僚の蒋干を、周瑜に魏に下
るよう東呉の説得に派遣した。蒋干が東呉に着くと、周瑜は既に彼の来意を
見抜いており、宴席を設けて蒋干を招いた。
宴席では周瑜はただ友情を語り、わざと戦のことは話さず、蒋干は口を開く
ことが出来なかった。周瑜は満座の文武百官に向かって言った。“今日此会
可称群英会。”その意味は、我々江東の英雄豪傑が皆ここに集まり、この宴
は正に群雄の集いと言える!
言い終わると、興に乗って立ち上がり歌いながら剣を取って舞い、宴は大
いに盛り上がった。
“群英会”とは多くの英雄達の宴のことで、今では先進的な人々の集まりを
喩える。
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