「典故300則」その197 ― 2013年03月26日 09:24

今日の言葉は“ 殺青:さっせい”、日本では製茶業界の専門用語で、製茶
の最初の段階で生茶葉を蒸すなどして加熱し、葉の酸化作用を抑える工程
を言うそうだ。 元祖中国では、どのような意味があるのだろうか。
典故300則その197:杀青 sha qing
昔は紙がなかったので、人は竹片に字を書いていた。字を書く前に青竹を
火に炙って水を出し、その水を拭き取ると字が書き易くなる。 この様な処理
を“杀青”或るいは“汗青”と呼んだ。他にも一つの説があり、昔の人は先ず
青竹の上に字を書いた。それは青竹に書いた文字は消し易いからだという。
文章を改めてから竹の皮を削り、白くなった所に再び字を書いた。白竹に書
いた字は消えにくかった。
後に“ 杀青”、“ 汗青”は原稿を修正した後の最終稿という意味で用いられ
た。この故事は、他に“青史”、“青简”などの言葉を生み出し、いずれも史書
を指した。 文天祥の詩“人生自古谁无死,留取丹心照汗青:古より死なない
者はいない。真心を留め、歴史書に輝かそう。”の中の“汗青”は史書から引
用したものである。
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