「典故300則」その1582013年02月05日 09:27


 権力に阿ることなく、一命を賭して自身の信念に従って行動できる剛直な

者。 佞臣に目と耳をふさがれた愚昧な皇帝に、勇気を振り絞って正論を持

って諫める功臣。中国史上、そんな人財がいかに多く佞臣の毒牙にかけら

れたことか。

 典故300則その158:骂座 ma zuo

 漢朝の灌夫は剛直で、彼は酒を好み、諂う者に会うことを嫌った。 丞相

の田鼢は考景皇后の弟で、容貌は醜くかったが、雄弁で道理をわきまえて

いた。灌夫は彼のことをあまり好まず、二人は以前から対立していた。

 ある時、田鼢は燕王の娘を妻として娶り、太后が諸侯と家族みんなに祝賀

に来るよう求めた。灌夫も参列した。席上、灌夫が立ち上がって祝杯を挙げ、

一同皆席を離れ床に伏した。

 灌夫が酒を捧げる時、田鼢がそこに座り言った。“満杯で、もう飲めない。”

灌夫はとても腹を立てた。灌贤正が祝杯を待っている時、彼と程不识がひそ

ひそ話をしていて、席を離れなかった。

 灌夫は酒の勢いで、“いつもお前が程不识に言っていることは一文の値打

ちも無いぞ、今日は先輩の祝い酒だというのに、お前はまるで小娘のように

程不识と内緒話をしている。”と毒づいた。 田鼢は大いに怒って“骂座不敬”

という罪名で灌夫を拘禁した。

 後に、“骂座”、“使酒骂座”は大酒を飲んで勝手にわめく者、また剛直不屈、

権力を恐れぬ者を言う。

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