「典故300則」その1562013年02月03日 08:51


 “馬と鹿”でバカ、バカという言葉は梵語の“Moha Mahalka:痴・無知”から

来ておりもとは僧侶の隠語“慕何”が転じて“馬鹿”となったそうだ。

 今日のテーマは“馬と虎”、では“馬と虎”にはいったいどんな意味がある

のだろうか。

 典故300則その156:马虎 ma hu

 宋朝の時代、一人の画家がいた。ある日、彼が虎を描いており、頭を描き

終わったばかりの時、人が来て彼に馬を描いてくれるよう頼まれたので、彼

は馬の身体を描きつないだ。彼はその絵を《马虎图》と名付けた。長男が彼

に“これは何?”と聞くと、彼は虎だと言い、次男が聞くと馬だと言った。

 その後、長男は一匹の馬を虎だと思って射殺した。 まもなく、次男は山で

一匹の虎を見つけ、馬だと思い虎に乗ろうとして、その結果虎に噛み殺され

てしまった。 画家は悲しみ、《马虎图》を焼き、一首の詩を書いて皆に彼の

真似をしないよう勧めた。

 以来、人々は“马虎”を仕事をいいかげん(粗枝大叶)にすることに喩えた。