「典故300則」その160 ― 2013年02月07日 09:23
儒学を学ぶ教典に「四書五経」がある。「四書」とは「論語」「大学」「中庸」
「孟子」、「五経」とは「易経」「書経」「詩経」「礼記」「春秋」の五つ。 今日の
言葉は五経の中の筆頭に挙げられる「易経」から。
古代中国の占いの書で、筮竹を用いて状態の変遷や変化を占うもので、
その中心思想は、陰陽二つの元素の対立と統合により、森羅万象の変化
法則を説くという、古代中国の哲学と宇宙観の集大成と言われる格式高き
書である。その教えの中に“深い河は歩いて渡るな。”とある。実に意味深
淵である。
典故300則その160:灭顶 mie ding
人が歩いて河を渡る時、頭まで水に浸かることを“灭顶”という。これは勿
論災難のことであり、従って“灭顶之灾”とも言い致命的な災難の喩えとして
用いられて来た。
この故事の出典は《易经・大过》で、“上六,过涉灭顶,凶。(上巻の六:渡
河の冠水は凶。)” 涉とは、歩いて河を渡ること。
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