「典故300則」その1682013年02月16日 10:41


 今日の主人公は唐代の詩人“李賀”、若くしてその文才を発揮したが、彼の姓

が災いして科挙の受験を拒まれ、失意の内に病に倒れ27歳の若さで生涯を閉

じた。

 典故300則その168:呕心 ou xin

 唐代の詩人李贺はとても早く文章を書くことができ、彼は毎日朝早くから一人

の使用人を伴い、馬に乗って出かけた。李贺は錦の袋を背負い、途中どんな事

でも感じたことを直ぐに書いて袋の中に入れ、夕方家に戻ってからその日に得た

ものをきちんと整理して文章として書き上げた。 これは酒を飲んで酔うか、弔問

の日以外はいつもこの様にした。

 ある時彼の母が下女を呼んで袋の中に何があるのかを見ると、ビッシリと書き

込まれた紙が沢山出てきた。 母は気を揉み、そして慈しんで息子に言った。“こ

の子ったら、こんなに苦労して、すぐにお止めなさい!”

 以来、“呕心”は苦心して思索することを形容する言葉となった。