野ばらの日(その2)2005年06月23日 13:00

 寺田屋さんとは、国道6号線沿いにある老舗の鰻屋であ
る。二十年前は、この6国沿いは鰻屋さんがびっしりと並
んでいたが、今では多くの店が”しもた屋”になってしまっ
た。常磐高速の影響だろう。龍ヶ崎方面から抱樸舎に向
かう場合は、この寺田屋さんの角を左に曲がれば、あとは
道なりに進めば良い。少々不安になった頃、抱樸舎の案内
板が見つかる。

 鰻が焼き上がるのを待つ間”抱樸舎から”という小冊子
に目を通していた。昭和57年から抱樸舎で開催されてき
た勉強会での、住井すゑさんのご挨拶などが載っていた。
なかなか面白い。一気に読み終えてしまった。鰻を焼き
上げるに、ちょうど良い厚さだった。

 私の琴線を刺激する話が沢山あった。わずか6才で天皇
陛下の”糞”で人間の平等をさとった話や、胡麻の花の話、
戒名の話、小さな冊子の中に住井すゑのエキスがタップリ
と詰まっていた。

 なかでも私が一番気に入ったのは、住井すゑさんが全日
自労でご活躍されていた西尾美恵子さんに贈った、一枚の
色紙の話である。色紙には”草清水 いずこにか”と書か
れていた。私もこの言葉の意味がわからなかったが、この
言葉には次のような意味が込められていたという。

 天を突く大樹でも、その根を支えているのは、フツフツ
と湧き出る草清水です。日本経済の高度成長も、その礎は
働くみなさんの力です。清らかで、はてしなく湧き出る生命
の水、草清水と素朴で純粋で人間らしいほこりを掲げて
闘っている全日自労の皆さんとは共通の美しい存在です。
これからもがんばって下さい・・・。

 太好了! 素晴らしい激励の言葉ではありませんか。