野ばらの日(その1)2005年06月22日 18:15

 先週の日曜日、妻といっしょに約一年ぶりに抱樸舎を
訪ねた。前回は、遠藤さん(犬田さんの妹さん)の作品展
を見に来た。先日小樽の工房で看たような、実に美しい
ステンドグラスの照明器具や壁掛けなどが並んでいた。
この日は平日であった為、らくらく敷地内の駐車場に車を
停められた。

 今日は、第八回目の「野ばらの日」ということで、大変な
賑わいであった。近くまで行ったが、あたりは車が一杯で
舎から約1キロ程も離れた得月院というお寺の駐車場に
車を回し、15分ほど歩いて行った。舎の中は、立錐の
余地もないほど人で溢れていた。我々は、舎の向かいに
ある離れの二階に廻った。

 こちらも大混雑ではあったが、何とか詰め合っていただき
座ることができた。着席した時には、既に「橋のない川」の
朗読が始まっていた。成長した誠太郎が大阪の米問屋で
番頭をつとめ、米騒動を背景に、出征前に嫁取りをするか
どうかのくだりをやっていた。カラー映画で看た杉本哲太と
高岡早紀の姿が浮かんできた。

 朗読を聞き終え、外に出ると犬田さんが出迎えてくれた。
いつものような優しい笑顔だった。誰に対しても優しく丁寧
な語り口は、すえゑさんの持論である”人間みな平等”を
そのまま実践しておられる。犬田さんの優しい笑顔を見る
と”ほっこり”する。実にいい齢(よわい)の重ね方をして
おられる。

 帰りに妻が即売の本を買った。題名は「夜明け朝明け」。
これも確か映画化されたはずだ。ついでに、お隣の小川
芋銭の”雲魚亭”に寄った。庭には鮮やかな水色をした
紫陽花が咲いていた。もちろん”カッパの碑”も拝んできた。

 帰路の途中、ここへ来る目印としてお世話になった牛久
沼畔の寺田屋さんで食事をしながら、第八回野ばらの日
記念号「抱樸舎から」という小冊子をながめていた・・・。