「典故300則」その1672013年02月15日 08:13


 今日のテーマは“弄潮儿”、直訳すれば“潮に弄ばれる子供”というところか。

今風に言えば海で波乗りを楽しむ“サーファー”が連想される。

 典故300則その167:弄潮儿 nong chao er

 古書の記述によれば:钱塘江の潮は毎日昼夜一度訪れ、いつも毎月十日と

二十五日に引き潮、三日と十八日に上げ潮となる。 引き潮では数尺にも満た

ず、上げ潮の時には波が数丈の高さにもなる。

 毎年八月十五日、河の潮はいっそう壮観になる。この日、大勢の若い漁師が

ここへ遊びに来て、彼らは色とりどりの旗を手に持ち、波を迎え、喚声をあげな

がらはしゃいで旗を振り、彼らは波頭に向かって波のままに流され(随波逐流)、

勇敢にまっしぐらに前進(勇往直前)し、旗を濡らさなかった者が勝者となる。

 その日が来ると大勢の老若男女が挙って潮に翻弄される姿を見に来て、遊ん

でいる健児を“弄潮儿”と呼んだ。

 唐の李益の詩“早知潮有信,嫁与弄潮儿”と、宋朝の潘阆の詩“弄潮儿向涛

头立,手把红旗旗不湿”にこの故事が用いられている。

 “弄潮儿”は今では逆境の中で力の限り闘い勝利した者を喩える。