「典故300則」その163 ― 2013年02月11日 11:33

今日の悲劇の主人公は“岳飛”、中国南宋の武将で、その武勇は中国人に
とって三国志時代の関羽雲長と並ぶ英雄として今も語り継がれている。
典故300則その163:莫须有 mo xu you
南宋時代、秦桧は岳飞父子を陥れようと考え、事実を曲げて岳飞の謀反を
訴え、岳飞父子を逮捕し投獄した。大将の韩世忠が秦桧に問い正した。
“あなたは岳飞が謀反だというが、どんな証拠があるのか?” 秦桧は恥ずか
しげもなく言った。“其事体莫须有。” その意味は“そういう事があるかも知れ
ない。”韩世忠は怒りを込めていった。“莫须有の三文字で罪を定めて、世の
人々をどうやって承伏させることができるのか?” 程なくして、岳飞、岳云父
子と张宪が風波亭で殺された。
後の人は“莫须有”を、根拠なく無から有を生じさせることを喩えた。
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