WBC(その5)2006年03月21日 21:09

 王ジャパンが、見事にWBCを制した。松坂が、松中が
そしてイチローが大活躍してくれた。代打の福留も韓国
戦に続いて素晴らしい働きをした。

 九回に追加点を挙げるまで、本当にハラハラドキドキの
連続であった。今日は例の”ボブ”が一塁々審をつとめて
いたが、案に相違して興醒めとなるようないかがわしい
判定もなく、実に気持ちのいい試合であった。

 決勝戦に残ったのがキューバであったことが、日本に
とって幸いした。仮に今日の相手がアメリカであったなら
ば、満塁押し出しとなった小笠原の四球は見逃し三振に
川崎、イチローのホームスライディングも、そして松中の
タッチアップも、間違いなく”アウト”と判定されていたに
違いない。

 皮肉なもので、アメリカの誤算により日本にとって最高
の形で決勝トーナメントの組み合わせが出来上がった。
誰も予想できなかった展開であろう。アメリカのシナリオ
では、悠々二次リーグを勝ち上がり、決勝ではにっくき
キューバを完膚無きまでにたたきのめして優勝するという
はずであったのに。

 二次リーグではいやな思いをしたものの、デビルチーム
が敗退した決勝トーナメントは、気持ちのいい試合が展開
された。韓国チームは、目標のベスト4入りが達成されて
兵役免除を勝ち取り、決勝で敗れたキューバも目的とした
打倒メジャーリーグを実現させた。

 結果して、二次リーグで一度地獄を見た日本が開き直り
見事に初代チャンピオンとなったが、今回のWBCの最大
の功績は、野球はもはやアメリカの独壇場のものではない
ということ、そしてフェアな試合だけが人々を感動させると
いうことを、世界中の人々に知らしめたことである。