メダルの色は心が決める2006年03月03日 21:50

 先日トリノオリンピックが無事終了した。心配されていた
テロによる妨害もなく、まずは祝着。そして日本中が固唾
を飲んで見守ったフィギア三人娘の演技。開催前の過熱
したマスコミ報道によるメダルラッシュの予想が、悉く
外れて、このままメダル獲得ゼロで終わってしまうのか
日本中が祈るような思いで早朝のTVを見つめていた。

 確かに事前の日本選手団に対する”手前みそ”な評価
は行き過ぎていた。十数個を超えるであろうと思って期待
していたものの、いざ始まってみると他の国の選手達との
圧倒的な実力差を見せつけられ意気消沈した。若い選手
達の模範となるべきベテランのケアレスミスには、本当に
失望したものだ。
 
 そして大会終盤でのフィギア競技が始まった。日本が
期待できるメダル獲得の最後の競技である。結果は衆知
の通り、荒川静香選手が見事に逆転金メダルに輝いた。
村主選手もノーミスの演技を披露したが、惜しくも4位に
留まった。確かにメダルを獲得した選手に比べると、稍
平坦な演技に感じられた。

 安藤選手は過度な緊張がその表情に良く現れていた。
失敗すべきにして失敗したというように見えた。また、
競技の衣装についても奇をてらった感があり、一層彼女
にプレッシャーを加えたのではないか。観客からも見て
も、あまり良い印象を感じられる衣装ではなかった。

 メダルの色を決めたのは”平静さ”であった。演技に
入る前の三人の表情に、その違いが顕れていた。コーチ
の激励を受けた時に、笑顔で応えていたのは荒川だけで
ある。スルツカヤもコーエンも顔が強ばっており、過度の
緊張を物語っていた。

 ”しあわせは自分のこころが決める”という相田みつお
の言葉があるが、”メダルの色も自分のこころが決める”
という今回の女子フィギアであった。