エコマネー(その1)2005年07月15日 20:21

 今日は”エコマネー”について考えてみたい。もともと
は、童話作家のミヒャエルエンデ氏の提言から生まれた
地域通貨の一種だという。氏はドイツの童話作家であり
代表作の”モモ”は、日本でもベストセラーになり生前、
日本にも来られたことがある。

 1995年、66才という若さでこの世を去ってしまったが
我々の経済優先の現代社会に対してズッシリと重い提言
を残している。汗水垂らして働いたパン屋の100円と
キー操作一つで一瞬にして儲けた100万円の話である。
バーチャルな貨幣経済が、地道に働く人間本来の営みを
蝕んでいるという警告である。

 氏の提言については、NHKが”エンデの遺言”という
番組を製作して何度か紹介しているので、ご覧になられ
た方もおられることと思う。また”エコマネー”については
通産省(当時)の加藤敏春氏が、1998年にイギリスの
LETSを参考にしてまとめあげ、著作により紹介した。
今では、地域活性化や街おこしの一方策として、日本
全国で、さまざまな形のものが試行されている。

 話は横道に反れるが、先日ここに書いた”住井すゑ”
さんも、私が推察するところエンデの影響を受けている
と思われる。先日読んだすゑさんの”わたしの童話”と
いう本の中に”ピーマン大王”という話が出てくるが、
まさに”パン屋の100円”に通じる内容であった。
また、対談の中でも”株”で儲けるバーチャルなお金に
冷たい視線を浴びせていた。

 さて、私が”エコマネー”を考える場合、どうしても
”人間の幸せとは何か”という問題に行き着く。人は、
どうしたら幸せになれるのだろうか? お金や物なのだ
ろうか? 考えるに、現代に活きる私は物質的には信長
や家康よりも遙かに豊かな生活をしている。衣・食・住
どれをとっても彼等より数段快適なはずであるが・・・。