「典故300則」その277 ― 2013年06月25日 09:28
“月”と言えば“かぐや姫”、“月下”と言えば“月下美人”を連想するのが我々
日本人、何れも儚い美しさをイメージするのだが、今日の言葉は“月下老人”、
どんな美しい爺さまが登場するのか・・・。
典故300則その277:月老 yue lao
唐の時代、韦固という若者がいた。ある晩、彼が宋城の宿で、一人の老人が
月明かりの下で書をめくっているのを見かけた。老人の傍らにある袋の口元に
は、赤い紐が飾られていた。
韦固が何をしているのか老人に聞いた。 老人が言うには、彼は世の婚姻を司
っており、どんな男女を夫婦とするべきか赤い糸で二人の脚を繋げば、その二
人は夫婦になることができるという。韦固は老人に、彼の未来の妻は誰なのか
を尋ねた。老人は書をめくりながら答えた。それは城西の野菜売りの娘で三歳
になったばかりじゃ。
十数年後、韦固は相州の軍に入り、長官である王泰が娘との婚姻を許した。
結婚後、妻が彼に言った。“私は本当は王長官の養女で、私の実母は城西の
野菜売りです。” 韦固はこれを聞いて頷きながら笑った。
以来、人々はこの月下の老人を“月老”と呼び、媒酌人の喩えとなった。
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