「典故300則」その2692013年06月16日 21:03


 今日の主人公は古代中国の帝王“黄帝”。中国の神話伝説時代の統治者

を三皇五帝(さんこう・ごてい)といい、三皇とは天皇・地皇・人皇のことで、三

人の治世を継いで国を統治したのが五帝(五人の帝王)である。 “黄帝”は、

その最初の帝王となる。 因みに秦の始皇帝は、この三皇五帝よりも尊いと

いう考えから、両者を重ね併せて “皇帝”と称した。 以後、中国の支配者は

この“皇帝”を名乗ることになる。

 典故300則その269:遗珠yi zhu

 伝説の古代皇帝である黄帝が赤水の北方を遊覧し、昆仑山に登り南に向

かって戻る途中、黒い宝珠を無くしたのに気づいた。そこで、すぐに々と何人

もの神々を探しにやったが、見つけられなかった。

 最後に黄帝は、賢くもなく目も耳も不自由と言われている象网を探しに行か

せると、意外にも探し出した。黄帝は聞いた“どうしたことか!象网はどうして

見つけられたのだ?”

 古代の仏教と道教では黒い宝珠は“道”の正真正銘の本質と考えられてい

た。これより後“遗珠”は、埋もれた本物の逸材や隠された輝きを喩えるように

なった。