「典故300則」その2592013年06月02日 08:20


 目の薬、生き馬の目をぬく、岡目八目、二階から目薬、目には目を、目の敵、

目の上のたんこぶ・・・etc、日本には“眼”にまつわる言葉はとても多い。今日

のテーマは“眼の中の釘”である。

 典故300則その259:眼中钉 yan zhong ding

 宋朝に丁谓という男がおり、この男は多くの悪事を働き、その中でも人を最

も酷い目に遭わせた一件は宰相の寇准を押しのけて失脚させ、自らが宰相

に就いてしまったことだ。

 当時、庶民の間でこのような囃子ことばが流行った。“天下を鎮めたいなら、

目の仇(丁谓)を排除すべきだ。:天下を正したいなら寇准を呼び戻すしかな

い。”

 “眼中丁”は後に“眼中钉”と書き換えられ、心底憎む事を喩えるようになっ

た。