「典故300則」その2622013年06月05日 07:24


 “千里の馬は常に有れども伯楽は常には有らず” 今日の主人公はこの名馬

を見い出す名人“伯楽”である。

 典故300則その262:一顾 yi gu

 苏秦と弟の苏代は、いずれも戦国時代の有名な論客である。ある時、苏代が

斉王に会おうとして先ず斉の淳于髡をさがし、推挙してくれるよう頼んだ。苏代

は言った。“昔、ある男が一匹の馬を売りたいと思い 三箇所の朝市を梯子した

が誰も見向きもしなかった。男はすぐに伯楽を捜しに行き、手伝ってもらった。

 彼は伯楽に、何も言わずに只馬の周りを何回か回って、帰る時は振り返って

一目見てから行くように頼んだ。すると、馬の値段が上がり十倍で売れました。

あなたは伯楽が良馬に対したと同じように私を斉王に推挙してくれませんか?”

淳于髡は了解した。

 “一顾”とは振り返って一目見ること。後に“一顾”、“伯乐一顾”は逸材を推挙

したり称賛することの喩えとなった。