「典故300則」その2752013年06月23日 09:23


 今日のテーマは“綺麗な薔薇”。 中国春秋時代、絶世の美女西施と並び称

された鄭の国の公女夏姫の娘を娶ろうとした晋国の名臣叔向のお話。夏姫は

その美貌故に次々と男達を遍歴し(させられ)、彼女に係わった男は いずれも

早世している。夏姫は五十を過ぎても二十代と見まごうばかりの美貌を保って

いたという。

 典故300則その275:尤物you wu

 春秋時代、公子の叔向が巫臣氏の娘を娶りたいと申し出ると、彼の母は同意

せずに言った。“巫臣の妻は三人の男を殺め一人は君主、一人は我が子、しか

も国をも滅ぼした、これは教訓となりませんか? 私が知るところに寄れば、美し

い女には必ず醜い処があります。” 続けて、彼女は美女が招いた災難の事例

を数多く列挙し、最後に言った。“夫有尤物,足以移人。苟非德义,则必有祸。”

その意味は:絶世の美女は人の性格を完全に変えてしまう。 もしも聖人君子で

ない人が彼女を娶れば、必ず災いを招きます。

 “尤物”はもともと絶世の美女を言い、後に広く特別な人や貴重な品を喩える様

になった。
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 留意事項 :このお話の通り綺麗な薔薇には棘がありますが、綺麗でない薔薇

にも棘はありますので、ご注意を・・・。