縄文時代の再現:その12005年08月27日 11:03

 以前勤務していた高校の学園祭で”縄文時代”を再現
したことがある。”縄文時代”は紀元前300年以前の新
石器時代とも呼ばれ、大森貝塚などがその時代の遺跡
として発見されている。

 校舎の斜面に直径5mほどの丸い穴を掘り、敷地内か
ら切り出してきた雑木の柱を円錐形に組み上げる。細い
横木を通して、周囲に茅をビッシリと縦に沿わせる。柱
を固定するのも、横木を通すのも、そして茅を沿わせる
のも、すべて草蔓である。外側には、ぐるりと排水路も
掘った。

 住居の中央には、まるく石を並べて囲炉裏を作った。
囲炉裏のまわりには、フナや蛙や蛇の薫製を串に刺して
雰囲気を盛りあげた。敷地内から生徒達がおっかなびっ
くりに捕獲してきたものだ。

 裏の土手から粘土を掘り出し、これを焼いて縄文土器
を造った。なかなかの傑作が出来上がった。裏山から
摘んできた”がまずみ”の実を発酵させ、縄文酒も再現
した。甘いとてもいい香りの酒に仕上がったが、味の方
は、いまいちであった。

 また、団栗の実から”せんべい”も焼いた。団栗の実
を磨り潰し、水を加えてペースト状にしたものを石の上
に載せて石ごと焼いて作った。渋くて食べられたもので
はなかった。

 学園祭開催中は、かなりの人気を呼んだ。ご覧になら
れた近くの小学校から、終了後には移築して欲しいとの
申し入れもあった。そして学園祭終了後、いよいよ移築
することになった・・・。