大相撲五月場所(その3)2006年05月19日 21:31

 13日目を終えて大相撲夏場所が面白い。本命の横綱
朝青龍が3日目にして早々に休場を決め、横綱不在の寂
しい場所になるかと心配されていたが、新大関の白鵬と
新入幕の把瑠都が、見事にその穴を埋めている。

 白鵬は先輩大関の琴欧州を上手出し投げで下し12勝
1敗、把瑠都は今場所4大関を破っている好調朝赤龍を
つり出して10勝2敗。そして元大関の関脇雅山がしぶ
とい旭鷲山を押し出して白鵬と並び12勝1敗のトップに
立っている。

 新入幕の把瑠都が優勝すれば実に92年ぶりの快挙
となるそうである。把瑠都凱斗(ばると・かいと)本名は
カイド・ホーヴェルソン、1984年11月生まれの21歳
出身地はエストニア、身長197cm、体重172kg と恵ま
れた体躯の持ち主である。

 初土俵は平成16年5月場所で、実に2年足らずという
短期間で新入幕を果たしている。しかもこの間、十両に上
がって2場所目となる昨年の11月場所では、急性虫垂炎
を患い休場を余儀なくされ一度幕下に落ちているのだ。

 把瑠都の快進撃に、協会審判部も困惑しているという。
優勝争いを演じている彼の明日14日目の対戦相手は何
と関脇雅山で、新入幕力士が関脇以上と当たるのは平成
12年名古屋場所以来とのこと。

 そして千秋楽には、これまでの番付重視の慣例を超えて
白鵬対把瑠都の取り組みが、結びの一番として実現する
かが注目されるところである。協会は、これまで通り無難
に慣例重視の取り組みを選ぶのか、ファン重視の好取組
を選ぶのか、果たしてどちらを選択するのだろうか。