「典故300則」その284 ― 2013年07月02日 09:44
今日の主人公は東晋時代(365-427)の文学者陶淵明、中国の代表的詩人
である。台頭してきた秦に迫害された賢者たちは、みな世の中を避けて山奥
に逃れた。人々は晴耕雨読の暮らしをし、互いに助け合い、圧政に苦しむ事
もなく自由な暮らしを愉しんだ。 陶淵明は人里離れたこの地を理想の地とし、
“桃源郷詩”を詠んだ。
典故300則その284:折腰 zha yao
晋時代の詩人陶淵明は気骨のある人で彼はこれまで上司に諂うことをしな
かった。彼が彭泽の県令を勤めていた時、ある日部下が彼に言った。“郡主が
県の視察に来るようですので、急いで身なりを整えてお迎えに行かれては。”
陶淵明は答えた。“私は五斗の米の為に恭しく出かけて、田舎の小役人(君子
でもない人)に傅くことはできない。”当時の県令の俸禄は五斗の米であった。
その後、陶淵明は結局官職を辞して隠棲した。 “折腰”とは腰を屈めて礼を
すること。以来人の顔色を見ながら事を進めること、他人に傅くことを喩えるよ
うになった。
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