「典故300則」その692012年10月30日 07:50


 今日の主人公は後漢王朝を建てた光武帝と、その功臣耿弇(こうえん)。

光武帝は始皇帝と並び称される偉大な皇帝で、我々日本人にも馴染み深い

“柔能く剛を制す”、“隴を得て蜀を望む”などの言葉を残している。

 典故300則その69:发迹 fa ji

 西漢末期の軍閥が混沌としている頃、张步は山東の王として割拠していた。

刘秀の臣下である耿弇将軍が、兵を率いて討伐に赴き一戦交え张步は敗退

した。漢の光武帝刘秀は自ら前線に出向き軍を労った。彼は耿弇の手を握り

ながら言った。“昔韩信破历下以开基,今将军攻祝阿以发迹。” その意味は

“往事、韓信が历下を攻め落とし西漢の基礎を打ち立て、今日将軍(耿弇)が

祝阿を攻略し、功を立て名を挙げ国家の事業の発展に寄与した。”

貴殿ら二人(韓信と耿弇)の功績は同じである。 耿弇の兵達は戦意旺盛で、

張歩将軍を追討し投降させ、山東一帯が平定された。

 “发迹”の元の意味は、功を立て名を挙げ事を発展させること、今では貧困

から富貴に、低調から盛況への喩えとして用いられる。