「典故300則」その582012年10月19日 07:31


 リーダーに求められる資質のひとつに“大胆さ”がある。 熟慮の末に至った

結論には、大胆に実行することが事を成すための秘訣。同意義語に“剛胆”が

ある。似て否なるものが“傲慢”と“高慢”、勘違いしているリーダーも多い。

 典故300則その58:斗胆 dou dan

 三国時代、諸葛亮孔明の死後、姜维伯約が蜀軍を率い魏国を攻めた。魏軍

が反撃に出て魏の将軍邓艾が成都に迫った。蜀の後継者である刘禅は投降し

共に投降するよう姜维に命じた。姜维は魏の将軍钟会に投降するふりをするし

かなく、機を見て彼を殺し、蜀の天下を取り戻すつもりであった。

 钟会も魏に背いて蜀の地を独占したいと思い、姜维に5万の兵を与え、彼に

蜀を占領に行かせた。魏軍の将達は钟会と重用している敵将の姜维を見つけ、

二人を捉え殺してしまった。聞くところによれば、姜维の死後腹を割いて見ると、

人々は彼の肝の大きさに驚いたという。

 “斗胆”は大胆なことをあらわす。