「典故300則」その40 ― 2012年10月01日 07:11
今日のテーマは京劇から。京劇は乾隆帝の時代(1790)に始まったとされ、その
後あの西太后から手厚い庇護を受け大いに盛えた。 京劇は“生・旦・浄・丑”の
四つの役柄から構成されている。“生:sheng”とは男性役、“旦:dan”とは女性役、
“浄:jing”とは凶暴で暴れん坊な性格の男性の役、“丑:chou”とは道化役のこと
である。
典故300則その40:打出手 da chu shou
いくつもの芝居の中に戦闘の場面がある。 戦闘の恐怖感を表す為に、複雑、
激烈、緊張など、役者達はいつも互いに武器を投げたり蹴ったりして、観客の眼
を眩ませていた。
この種の、武器を扱う立ち回りの特技を“打出手”と呼び、今では物事に着手
する人を喩え、転じて“大打出手”を派手にやり合うことに用いるようになった。
「典故300則」その41 ― 2012年10月02日 08:44
今日の主役は唐代の詩人张打油、諧謔詩の家元である。ユーモア溢れる七言
詩で中国流の川柳と言えば分かり易い。あの毛沢東も喬冠華の詩に自ら二律を
書き加え、ユーモアのあるところを見せている。
八重櫻下廖公子・・・・・・・・・・・・・八重桜の下(日本)での廖の若殿よ
五月花中韓大哥;(喬冠華)・・・・五月花(メイフラワーホテル:米国)での兄貴よ
莫道敝人功業小・・・・・・・・・・・・・私の功績は小さい物だと言いなさるな
北京賣報賺錢多;(毛澤東)・・・・北京で新聞を売って大儲けしたんだぞ
これは文革前期に喬冠華のしていたこと(喬冠華は批判され、王府井で造反派
の新聞を売らされていた)を毛沢東が揶揄したもの。
典故300則その41:打油诗da you shi
唐の時代、张打油という詩人があり、彼は一つの詩を作り題名を“雪”と言った。
全編四句からなる詩はこのようだ。“江山は漠然としている、井上は邪悪な洞穴、
黄狗は辺り空しく、白狗は辺り浮腫んでいる。” 詩の中の喩えは滑稽かつ適切、
言葉は大衆向きで面白く、読んだ人を吹き出さざるを得なくさせた。
以来、人々は“打油诗”を、庶民的でユーモアのある詩とした。
「典故300則」その42 ― 2012年10月03日 07:18
今日のテーマは仏教、仏とは信仰対象の総称で、大別すると如来、菩薩、明王
天の四つに分けられるという。 如来とは悟りを開いた存在であり、胎蔵曼荼羅に
は大日如来を中心に四体の如来と四体の菩薩が囲んでいる姿が描かれている。
菩薩とは悟りを開くための修行中の身、明王とは悪を懲らしめるため如来が化身
したもの、天とは六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天)を治める仏だそうである。
典故300則その42:大彻大悟da che da wu
彻:全部わかった。
悟:わかった、わかった。
“大彻大悟”は、元来仏教用語で、その意味は、とことん理解すること、菩薩の
境地に達すること。
今では一般的に“大彻大悟”は、悟りを拓き、全てを理解することに用いる。
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