「典故300則」その60 ― 2012年10月21日 07:10

今日のテーマは漢詩。漢詩には厳格なルールがあり、大別すると一つの句
(行)を五文字で構成するものと七文字で構成するものとに別れ、さらにそれを
四句重ねるものを“絶句”と言い、八句続けるものを“律詩”と呼ぶそうである。
つまり、“七言絶句”とは、七文字/行の句を四行連ねたものであり、“五言
律詩”とは五文字/行の句を八行連ねたものである。我々日本人にも親しま
れている李白の“静夜思”は“五言絶句”ということになる。
床前看月光,疑是地上霜。举头望山月,低头思故乡。
典故300則その60:杜撰 du zhuan
聞く処に寄れば宋の時代に杜黙という知識人がおり、彼の詩作はいつも詩律
から外れ、内容は何の拠り所もない、でたらめなものであった。
その後、人々は事実と異なる事柄を叙述することを“杜撰”と呼び、その意味は
“名を伏せて書くこと。” 後に“杜撰”は事実無根、何の根拠もない捏造、フィクシ
ョンに用いた。
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