「典故300則」その502012年10月11日 15:09


 人は事がうまく行かなかった時、運が悪かった、ツキがなかった、などと表現

する。そして失敗した時には思わず“なんてこった!”などと呟く。 中国の人は

“真倒楣!”と言うそうである。

 典故300則その50:倒楣 dao mei

 封建時代、誰もが仕官したいと考え、書を読み、そして科挙を受験した。明朝

になると、受験しても採用されることは極めて難しかった。 どの受験者が採用

されたかは、門前に立っている一本の旗竿で表した。 もしも採用されなければ、

その旗竿を倒して持ち去る、これを“倒楣”と呼ぶ。 楣とは門の上の横木のこと

で、ここでは高竿を指す。

 試験に合格しなければ、当然ながら事がうまく運ばない。よって人々は物事が

上手く行かず、運気が良くないことを“倒楣”と言い、その後“倒霉”と書くように

なった。