奇人達の晩餐会2006年08月09日 22:29

 先日松原さんが一本の映画(DVD)を買って来られた。
定例会の後、みんなで楽しめるものをとネットで調べ廻
り、ようやく探し当てた作品だという。作品のタイトルは
”奇人達の晩餐会”という。

 98年制作のフランス映画で、上映時間も80分ほどと
手頃な長さである。カバーに書かれた作品紹介を読む
と、何やら興味をそそられる。

 ”毎週水曜日、出版社社長のピエールとその友人達
は奇人達の晩餐会を開いている。ルールは簡単、メン
バーは、必ず一人”奇人”を連れてくること。誰もが認め
る奇人を連れてきた者が、その会の勝者となる。彼らは
連れてきた人間の”バカぶり”を競い合って楽しんでいた
のだが・・・。”

 この口上に誘われ、さっそく観賞することにした。次か
ら次へと目まぐるしい展開に、あっという間の80分であ
った。結局晩餐会のシーンは全く登場せず、主催者で
ある社長のピエール宅での、主人公ピニョンと二人の
やりとりを中心とした一幕芝居という設えであった。

 軽妙なフランス語の響きを耳に入れながら、画面に映
る字幕を追う。この作品はアクションやスケールを楽しむ
ものではなく、じっくりとしゃれた(滑稽な)大人の会話を
楽しむものである。

 この映画の”オチ”は、馬鹿者を笑っていたはずの男
が、結局は一番の大馬鹿者であったというところだが、
喜劇特有のパッピーエンドにはなっていない。登場人物
全員が不幸な結末となってしまうのは、少々寂しい気が
する。せめてピニョンに幸あれと・・・。