「典故300則」その294 ― 2013年07月13日 09:05

人には色々な趣味や癖(くせ)がある。 趣味が高じて癖(へき)となり、さらに
高じて“信仰”となることもある。趣味趣向は真(まこと)に多種多様で、一見誰
もが避けたくなるような物を好んで食す。 鮒酢、納豆、くさや、臭豆腐など、ど
れも悪臭を放つ食品だが、これらは既に市民権を得ている。 群を抜いて殺人
兵器の域に達しているのが、スウェーデンの鰊(ニシン)の缶詰 シュール・スト
レンミングだそうである。鮒酢や納豆などが500Au(アラバスター:臭みの強さ
を表す単位)未満であるのに対し、シュール・ストレンミングは8,000Auを超え
ている。
典故300則その294:逐臭 zhu chou
昔々、身体から悪臭を放つ男がおり、彼の家族も我慢できず誰も彼に近づか
なかった。この男はとても悩み、海の上で住む他はなかった。ところが海の上に
は彼の悪臭を好む人があり、一日中彼の傍を離れようとしなかった。
以来、“逐臭”は変わった癖や変な趣味を喩え、“逐臭之夫”を低俗な趣味を好
む者を喩える。
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