「典故300則」その2932013年07月12日 08:06


 今日の言葉は“中山狼”、これに似た言葉に“中山路”という言葉がある。中国

各都市至るところに“中山路”と名付けられた大通りがある。勿論横浜中華街の

メインストリートにも“中山路”と名付けられている。 因みに“中山”とは辛亥革命

の指導者、孫文の号(称号)である。

 典故300則その293:中山狼 zhong shan lang

 その昔、东郭さんが驢馬を追って山に入った時、一匹の狼が助けを求めて走り

寄り“狩人が追いかけて来る!”と言った。 东郭さんは、その狼を書籍袋の中に

匿ってやり、狩人をやり過ごした。

 狩人が立ち去ると、狼が袋から這い出て来て言った。“俺は腹が減っているんだ、

お前を食べさせろ。”东郭さんは驚いて驢馬の後ろに身を隠したが、驢馬も驚いて

逃げ出した。

 この時一人の農夫が通りかかり狼に言った。“こんな小さな袋なのに、お前はどう

やって入れたのだ?もう一度入って見せてくれ。” 狼はすぐにまた袋の中に潜り込

んだ。すると農夫は鍬を振り上げ狼を叩き殺した。

 “中山狼”は、今では広く、恩義を忘れ(忘恩负义)恩を仇で返す人を喩えるように

なった。