「典故300則」その90 ― 2012年11月24日 08:06
今日の主人公は高祖劉邦、秦を倒し漢帝国を築いた前漢の皇帝である。 若い
頃はならず者の親分に過ぎなかった彼も、多くの戦いを経験し軍師の働きの重さ
を十分に理解するようになっていた。これが項羽を倒すに至ることになる。
典故300則その90:功人 gong ren
漢の高祖劉邦が天下を平定した後、論功行賞が始まった。劉邦は萧何を第一
の功臣と列し、最も多くの土地を分け与えた。他の者は皆納得できずに言った。
“我々は多くの戦いに命を賭して臨み、多くの土地を勝ち取ったが、萧何はただ
口を動かし筆を運んだだけなのに、どういう訳で彼の功労は我々より大きいので
しょうか?”
劉邦は言った。“諸君は皆狩りをしたことがあるだろう?狩りの時獲物を捕まえ
るのは猟犬で、猟犬を指揮するのは人間である。 あなたたちは獲物を捕らえる
ことが出来るだけであり、猟犬の功である。 萧何は猟犬を指揮する人間であり、
彼こそ人間の功である。”一同、これを聞いた後は誰も何も言わなくなった。
その後“功人”は謀に長けている者を喩え、“功狗”を戦に強い武将の喩えに用
いるようになった。
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