「典故300則」その31 ― 2012年09月22日 06:50

今日の主人公は孔子門下の優等生宓子贱、学を机上の物とせず、実学と
して捉え、治めた地を富ませた県令の話である。
典故300則その31:掣肘 che zhou
春秋時代、孔子の弟子宓子贱が魯の亶父地方を治めに行き、彼は君主が
他人の讒言を真に受け、自らの行政に影響を受けることを恐れた。出かける
間際、宓子贱はわざと君主の二人の腹心に彼と同行するよう要求した。亶父
に着くと、各級官吏と朝見し、宓子贱は二人の腹心に記録させた。
記録している時、宓子贱は傍らで絶えず“肘を突いたり揺らしたり”して、彼
らの腕を引っ張り、彼らが上手く書けないようにした。 宓子贱は記述を邪魔
し、その上彼らを咎めた。二人は直ちに職を辞し、宮殿に帰って行った。
帰った後、二人は宓子贱が彼らの肘を引っ張り、彼らが字を書けないように
邪魔したことを君主に告げた。君主はこの話を聞いて納得した。:宓子贱はこ
のような方法で、私に彼の仕事に対して干渉するなということを暗示したのだ。
後の人は“掣肘”を他人のやる事を邪魔すること、または牽制された人、ある
いは他人を牽制することの譬えとした。
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