「典故300則」その9 ― 2012年08月31日 06:27
春秋時代、楚王を諌め「泣かず飛ばず」の故事を生んだ五挙、楚王の信
を得て蘇従と共に奸臣達を一掃した楚の功臣である。
典故300則その9:班荆
春秋時代、楚の国の大臣伍举の舅は法の裁きを恐れ逃亡した。伍举は巻
き添えを恐れて鄭の国に逃げ、さらに鄭の国から晋の国に逃げる準備をした。
丁度彼の親友である蔡の国の大夫声子も晋国に行くところであり、二人は
郊外で出会った。二人は大いに喜び、地面に茣蓙を敷いて座り、食べながら
腹を割って語り合った。それから、声子は晋国を廻って楚の国へ戻った。楚の
国の地方長官子木に向かって言った。“晋の国は伍举を必要とし、彼を上級
官僚に封じました。伍举の才を利して、もし楚の国に刃向かう国に身方すれば
大いなる脅威となりませんか?” 子木は声子のことを楚王に告げた。楚王は
直ちに使者を立てて伍举に楚の国に戻るよう請い、彼に高官位を与えた。
“班荆”は茣蓙を敷いて地面に座すこと。以来、人々は“班荆”、“班荆道旧”
を旧友と共に友情を語ること、また故郷を思い国を愛する情を形容した。
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